手締めのはなし

  • ウチの業界、この時期は色々な問屋さんが主催の展示会(一般的に見本市と呼ぶ)が各地で開催されている。そこで必ずといって行われるのが「手締め」。「え〜、○○さん(主催の問屋さんのこと)をはじめ、皆様のますますの発展と、この見本市が大盛況のうちに終了する事を祈念して・・・」手締めが行われる。
  • そもそも祈念するときに手締めをするのかどうか?というのも若干疑問が残るのだが、今日話したいのは、その手締めの種類。
  • 一番オーソドックスなのが「三本締め」。「ヨオー(掛け声) シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン」と三回繰り返すのがこれ。それを一回で終わるのが「一本締め」。手を一回「ヨオー、シャン」とたたくだけでおわるのも”一般的に”一本締めと呼ばれてしまっているだけに、手締めの音頭ととる人が「それでは一本締めで・・」と指定したときは、はたしてどちらのことを言っているのかと周りの動きをうかがいながらビクビクして手をたたいてしまっていることがある。事実、その見解の相違が生じ、なんともバラバラした手締めになってしまった現場に居合わせた事がある。それは最初の「シャン」だけやたら大きい音で、次の「シャン」はなんだか尻切れで、その瞬間に最初の「シャン」で終わらせてしまった人が、あわてて手をたたくのを再開してももう後の祭りで、最後は投げやりな拍手みたいな感じで手締めがおわる、といった「締まらない手締めの」驚くべき惨状であった。
  • 正確には「シャン」だけで終わらせるものは「一丁締め」と呼ぶそうで、今後世の中に標準化させていかないと、あちこちで締まらない手締めが起こって、不景気から脱却できないかもしれない。
  • ま、一本締めのはなしはそのくらいで良いとして、一番問題なのは「三本締め」のつもりで「三三七拍子」と呼ぶ人が意外と多いことだ。俺の数少ない経験からして、3〜4人に一人の確率で間違える。ほんとに、ツッコミいれたくなる。おいおい、チミは応援団か?これからエール交換か?悪意は無いのだろうが、これは犯罪だ。厳粛なセレモニーの場でこのソソウは俺のツボにはまるからだ。罰金刑だーー。そうだ、おれに支払え。それか本当に三三七拍子を実行しろの刑だ。笛と扇子とハチマキは用意するぞーーー。