アルペン踊りについて考える

35さいを迎えるこの年から、わたしは会社の健康診断でバリウムを飲まなければなりません。それが今日でした。今日という日を迎えるにあたり、本当にいろいろな人にお世話になりました。そんなことを考えながら、大きなお世話な感じのストロベリーっぽい味の純白の半固形物を一気に流し込み、機械にもてあそばれ、技師の言われるがままにゴロゴロ動くかされるという屈辱を味わってきました。これでようやくおやじ大人の仲間入りです。

ということで、久々の歌ツッコミ。グダグダといってみたいと思います。

アルプスいちまんじゃ〜く こやりのう〜えで♪

と始まるこのゴキゲンな歌、子供の時に聞いたがために、よく考えると不可解な部分が多いわけです。

【その1】どこよ?
アルプス一万尺、こやり」さて、どこでしょう。ちなみに「子ヤギ」ではありません「こやり」です。偏見ですが子供の7割が「子ヤギ」だと思っていたはずです。わたしもそのうちの一人です。子ヤギの上で何かを踊ってしまう、ある種アクロバティックというか、動物虐待です。
というわけで、調べてみると。ここでいうアルプスは日本のアルプスだそうです。そこにある槍が岳に「小槍」という場所があるそうです。

あんまり正しくない絵かもしれませんが、小槍は槍が岳の山頂のチョイ下にある出っ張った岩だそうです。標高にして3030m。尺に換算すると一万尺になるのです。よくできています。

そんな小槍、とんがっているので、足場最悪です。そして、絶壁だそうです。

【その2】どんなおどりよ?
アルペン踊りをさあおどりましょ」さて、どんな踊りでしょう。「ヘイ」からはじまり、「らんららららららららんらららららら♪」みないな勢いなので、アップテンポな踊りでしょう。調べていません。まさか、あの手遊びがアルペン踊り?だとしたら普通にショックです。あ、いまどきの「普通に」の使い方で表現してみました。

【その3】どんな場面よ?
アルプス一万尺は人の住むには難儀な場所です。そんな行くのも大変なところでアルペン踊りをしなければならないその動機は何でしょうか。そこでアルペン踊りをすればなにか願いが叶うのでしょうか。一種の雨乞いでしょうか。足を滑らせればシャレにならないところで危険を冒してアルペン踊りをしなければならないほど、何か大きなものを背負ってそこに向かうのでしょう。ただ、仮にそうだとしたら解せないのは、聞いた感じシンプルでゴキゲンな循環コード進行であるということ。重厚感に欠けています。

【総評】
一言で、シュールです。調べるとどうやら、アメリカ童謡らしいです。日本作詞者は不詳だそうです。ちなみに本場アメリカの原題は「ヤンキードゥードゥル」だそうで、「ヤンキードゥードゥルが仔馬(子ヤギではない)に乗ってやってきた♪」みたいな感じらしい。
ちなみに、日本の歌は30番近くあるらしいです。一番のシュールさに負けず劣らずシュールです。シュールというよりは、結構自虐的というか、オチがあります。すべては北アルプスの槍が岳にある小槍が一万尺であるというコンセプトから強引に展開されている点に敬意を表します。