ことばのはなし

  • 日本語が崩れてきていると言われて久しい。たしかに「それ、ぜんぜんいいっすよ」っていう日本語は変だ。「全然」は否定形の「〜ない」にかかる修飾語で、肯定文には使われないというのが通常。おかしいとおもいながらも、自分の口から出てきたときには、やるせないきもちになった。
  • 世の無常観というものにてらして考えると、日本語が変化するということは、ある意味自然。「おみおつけ」という言葉は最初「つけ」だったものに「御(お)」をつけた人がいて、さらに時が経ってそれに「御(み)」をつけた人がいて、こともあろうにさらに「御(お)」が付けられてしまった。と聞いた事がある。そんなに偉いかおみおつけ?「おみ足」にさらに「御」がつくのも時間の問題だ。「おみお足」。何様?
  • あと気になるのが「雰囲気」という言葉。結構大勢の人が「ふいんき」と発音しているように聞こえる。アナウンサーまでこう発音しているのを聞くと、微妙な気分になる。「ふいんき」で変換すると「不陰気」になる。この発音は日本語として認められていない証拠だ。
  • ただし、この「ふいんき」という発音「ふいんき」よりも発音しやすい。たとえば、「山茶花(さざんか)」これは漢字をよめば「さんざか」と発音するのが普通。ただ、これは実際「さざんか」であり、変換しても一発で「山茶花」になる。おそらく、昔は「さんざか」で発音していたはずのものが発音しやすい方へ変化したのでは?
  • というわけで、「ふいんき」もワープロ変換できるようになり、れっきとした日本語になるのは時間の問題であり、日本語も変化する。「それ普通に面白いっすよ」の普通という言葉が辞書に「①ありふれていること、②たいてい、③ものすごく(俗語)」と書かれる日も近い?