最終章 割り切り

高校生になった。中学生時代の忌々しい記憶も風化し、また、床屋に行く事にした。結局落ち着いたところは家から一番近い床屋だった。なぜいままでここに来なかったのか?今思えば謎である。今までのつらい記憶がうそのように、問題のないカットであった。それから十数年「この前と同じで」という言葉が心地よい。
結婚&転居を機に床屋も変わったが、そこでも「この前と同じ」が通じるようになった。だが、俺自身の問題として、貧乏性からついつい切りすぎるというクセから脱却できない。床屋から帰ってくるとたいてい不評だ。いっそのこと丸刈りにしてしまいたい今日この頃だが、周囲からの抵抗にあっている。「絶対にコワくなる」だそうだ。